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小机城址 散策     横浜市港北区
令和3年(2021)2月4日  晴

 日産スタジアムから西にこんもり見える丘が小机城址になる。城址の西側は第三京浜が通るが、他の周囲は際まで民家が建ち並んでいる。また鶴見川を越えた先の丘には、太田道灌が小机城を攻めた時の陣城跡がある。しかし20年ほど前に整地されて工業団地に変貌している。城跡へは小机駅方向から案内標識が多く設けられている。
日産スタジアム側から 亀之甲山陣城跡(中央) 標識が多くある


 築城時の登城道とは違うかも知れないが、横浜線と平行に民家の間を行く。第三京浜の高架下手前で右折すれば先に城跡への入口が見えてくる。民家が終わった先に歩きやすいように整備された道が現れる。直ぐに根小谷(屋)広場と書かれた標識とトイレがある。曲輪跡なのか後の整備なのか分からず。
ほぼ線路沿いの道 民家先の入口 根小谷広場のトイレ


 ここから簡易舗装の道になる。右斜面は幾段かの削平地と思われるものが見える。左下にも後に手が入ったかは分からないが、平坦場所がある。丁字路手前の両側は高くなり上は見えず、堀底を歩いている感がある。丁字路を右に行けば二ノ丸方面、本丸は左に進む。本丸方面から二ノ丸方面に深く幅広な空堀が続いている。
右上に幾段かの削平地 登り途中 右手の平らな場所


 本丸・二ノ丸と書いているが、城郭本では西郭(曲輪)・東郭(曲輪)と記されており、どちらが主郭だったかいまだ分かっていないらしい。また土橋の手前の狭い場所を馬出と記されている。ここでは本丸などの案内板名称を使用。
丁字路 右奥に土橋 馬出から本丸虎口を


 土橋から見える右手の空堀は幅広で深い。左にも空堀があるが左右で少しずらして掘られ、それに伴い土塁も喰違いになっている。冠木門の先が本丸広場になり、虎口部と正面の北側に土塁が顕著に残っている。毎年この広場で武者行列が集合し、色々な催しが開催される。武者行列は近くの寺から来るらしい。
土橋から右の空堀 冠木門の先が広場 虎口の土塁


 北側には深い空堀と、その先には更に堀らしきものが見える。本丸の東には二ノ丸広場方面に行く道がある。
北側の土塁 北側の空堀 本丸から二ノ丸へ


 左右には空堀があり土橋になっている。橋の先は左右に細長い曲輪になっており、城郭本では「つなぎ曲輪」とある。
土橋の右空堀 長細い曲輪から本丸側 長細い曲輪


 右に行った奥に櫓台跡がある。櫓台跡の東・南・西側は特に堀が深く感じられる。二ノ丸広場側に行けば、左右の空堀があり土橋になっている。細長い曲輪が土塁のように高く、自然地形の高さなのか、盛り土なのか分からないが、本によっては土塁ともある。
南端の櫓台跡 櫓台跡から下の空堀 曲輪を下って振り返る


 二ノ丸広場手前に井楼跡と標識がある。左右下の空堀側から散策路が来ている。
長細い曲輪の左空堀 井楼跡の標識 井楼跡から右の左空堀


 現在、二ノ丸広場へ入る場所の左手には土塁があり、上に櫓台跡がある。案内によれば井楼跡辺りから土塁は続いていたらしいが、畑地用に崩して持ち去ったらしい。土塁で遮っていれば何処に虎口(入口)があったようだが。
今の二ノ丸入り口 二ノ丸から見た土塁 櫓台跡


 二ノ丸は本丸より広い空間に思える。周囲の空堀も大きく、北側から散策路があり降りられる。さらに北側に高くなった場所があり、上に櫓台跡があったらしい。ただ北側は民有地のため進入禁止。
二ノ丸の一部分 二ノ丸北側の空堀 東に下がる空堀


 二ノ丸広場から北に下りて西側に回り込んだ辺りが一番の見応である。散策路は正面のつなぎ曲輪で左右に分かれ、右に上れば本丸広場の北隅に出る。
左上が二ノ丸 正面は細長い曲輪 右奥が本丸


 一度本丸を出て三叉路に向かい直進すれば、先に社が祀ってある小さな曲輪に着く。この辺りでも十分に山城の雰囲気を堪能出来る。
丁字路を右へ 空堀 小さな曲輪


 小さな曲輪の先はやや下り堀底と変わらなくなる。そのまま直進すれば井楼跡・二ノ丸へ行ける。防備の面では心もとないが、本によれば大きく変えられているらしい。再度本丸虎口に向かう。本丸土橋手間に、第三京浜で分断された冨士仙元への案内がある。
小さな曲輪の後ろ 上れば井楼跡・二ノ丸へ 富士仙元の案内


 第三京浜側に行くと直ぐに堀跡かと思える場所を通る。フェンス沿いに階段を下り、高架下を潜り再度階段を上る。本丸とは尾根続きであったらしいが面影はない。
堀跡か 一度下る 第三京浜を


 小高い上に「冨士仙元大菩薩」と刻まれた碑が建っている。富士仙元とあるので富士山の遥拝所のようだが、富士山が望めるか確認はしなかった。地図には白山社と載っているが、寺社に知識が無いため分からない。こちらは主郭から離れた出丸(外郭)跡と載っている。南に尾根が続いているが、数十メートル先は住宅地になっている。
冨士仙元から本丸側 こんもりとした高み 冨士仙元



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