トップへ戻る 一覧へ戻る

箱根路(3) 金時山(1212.5 m)  
平成18年(2006)9月2〜3日(土・日) 晴    参考地形図 御殿場・関本
 
 8月の盆休みは行き先が決まらず、出かけることもなく過ぎてしまい、9月に入れば観光地の混雑がなくなるだろうと、箱根に出かけてみることにした。9時40分に自宅を出発、湯本着11時頃、手荷物を宿まで届けてくれる場所(Hakone Baggage Service キャリーサービス・料金600円)に預けてから昼食をとり、旧道経由のバスに乗車する。寄木細工で有名な畑宿から歩けば、もう少し箱根旧街道を楽しめそうだが、今回は雰囲気のみ味わうだけの甘酒茶屋から歩くことにした。

 甘酒茶屋前のバス亭で降りて、まずは観光名所である甘酒茶屋へ。さっき昼飯だったと言いながら、力餅のあべかわ(500円)とシソジュース(400円)を注文して休憩。茶屋の名前になっている甘酒を飲まなかったのが、やや心残りであった。隣の箱根旧街道資料館(大人70円)見学、箱根越えの旅人に関する服装などが展示してある。旧街道を甘酒茶屋裏から歩き出す。400mほどで道路を突っ切り、反対側に入る。地図で見る限り元箱根まで700mくらいは続いていそうだ。甘酒茶屋裏手の旧道は全てに手が入っている様子はなく、単に山道と言った場所もあるが、道路を越えたところからは石畳もしっかりと整備されている。


 諸本ではここからの歩きが一番趣のありそうなことが書いてあった。やや登った右奥に展望台があり、正面に上二子山・下二子山が見え、左に駒ヶ岳が大きく見える。ロープウェイ山頂駅もはっきり眺められた。さらに先へゆくと右奥に休憩所があり、東屋が建っており展望台と同程度の眺めがある。2カ所目の一般道に出た先が、小振りな鳥居がある権現坂と案内がある。


 湖畔に向かって下ってゆくと、国道1号線をまたぐ木製の歩道橋がある。橋を降りたところが杉並木、脇からそのまま湖畔へ進み、3回目にして初めて箱根神社へ向かった。木立・参道から受ける雰囲気が、規模・絢爛さでは劣るものの、日光東照宮が頭に過ぎった。箱根神社と右の敷地の九頭竜神社を参拝して宿泊先へ向かう。今回、宿を決めてから散策先を決めたため、芦ノ湖畔から湯本に戻る羽目になってしまった。「湯本−甘酒茶屋間 680円・元箱根−奥湯本間750円」


 翌日、宿から湯本駅まで温泉組合の送迎バス(有料100円)で行き、コインロッカーに手荷物を入れ、仙石経由の元箱根行きバスに乗車。代表的なコースである金時神社経由で登ることにする。仙石バス停で降り乙女峠方向へ歩き、矢倉沢峠経由の金時山登山口があるが通過し金時神社入り口に向かう。仙石バス停辺りからわずか顔を上げれば金時山が手の届きそうに見える。「公時神社入り口」と大きな石製の案内がある。駐車場は20台程度可能か、奥まった場所にトイレが建っている。トイレ脇から階段を登ってわずか先に鳥居が見え、鳥居前にも駐車場がある。神社の真後ろに金時山が眺められる。まずはお参りをする。一帯は檜の植林地で日差しを遮り暑さを和らげてくれる。しばらくして左側に金時の手鞠石と言う直径4mほどの岩が現れる。その先に国道138号線から金時隧道へ向かう道を横断しさらに登る。正面に金時の宿り石と言われる、縦に裂目のできた巨岩のところで道は左に折れ登る。有名な場所は殆どが似たようなものだが、コースは深くえぐれ脇には踏み跡が幅広く出来上がっている。傾斜が緩やかになり、下からずっと石がゴロゴロしていたが、珍しく土だけの道になると芦ノ湖・丸岳・明神ヶ岳など180度くらいの展望がある。直に矢倉沢峠からの合流点(参考本には金時神社分岐)に到着。峠に下る道もかなりえぐれている。


 合流点からは左に鎖を張った場所が少し続き、山頂間近では土留めの丸太がかなり崩れている。合流点からは最後のきつい登りだった。どのコースをとっても登りがきついとあるが、きついと言っても20分程度だと軽く考えていたが、30分を超えてやっと山頂に着いた。登山者が50〜60人以上は十分居そうだ。分岐点に下ってくる人の話では、今日は富士山がよく見えると言っていたが、実際には7〜8合目くらいから上が薄ら見える程度だったが、この時季の昼頃に頭だけでも見えたのは幸運なのかも知れない。空気が澄んだころに再度来ようかと思うが、いつも気ままな為いつになることか。早速、妻は何か食べると言い出す。あまりの天気の良さで日差しが強く暑い。登山者のかき氷を見て食べたくなり、2軒ある内の金太郎茶屋へ行ったが売っていない。金時茶屋へ行き、みぞれミルク金時のかき氷(500円)を購入、名前の通り小豆以外に金時豆が入っている。いつもの如く妻は旨い旨いと言いながら食べていた。疲れていることもあるが、確かに旨かった。氷はどのようにして準備しているのか疑問に思ったが聞かず仕舞いだった。茶屋の中で休憩したかったが、満員で(無理して10人)で座れず、しばらく表で隙を窺っていると、2人分が空いた。急いで金時しるこ(600円)みそ汁(300円)を注文して場所を確保。かの有名人の金時娘さんは厨房?内で忙しく働いておりました。息子さんともう一人見かけたが、何人で切り盛りしているのだろう。いつか機会があれば話を伺いたいものだ。12時半頃には氷がなくなった様で、かき氷の幟を片付けてしまった。


 私も数ヶ月振りのハイキングで疲れたが、私よりもバテ気味の妻は矢倉沢峠経由なら下るだけなので、そのコースがいいと言ったが、私は同じ下るのであれば乙女峠経由で行きたかった。ここはいやがる妻を強引に道連れにして乙女峠へ向かうことにした。茶屋で有料トイレ(30円)を拝借して出発。こちらは下る人は殆ど見ないし、登ってくる人も極端に少ない。60〜70m下ってやや登り返し1150m位のピークを過ぎる。木が多く太陽を遮ってくれるので歩きやすい。数カ所御殿場側が見えると思われるところを通過する。霞んで全く見えまないが、木々が葉を落とす頃には覗けそうである。

 もう一度同程度下って登り返すと長尾山(1050m弱?)となる。長尾山山頂は草も無く土が露出した平坦地になっているが、高さだけで言えば、途中の登りきった木立の中のほうが高かったようだ。ここからは進行方向正面にアンテナが目立つ丸岳が眺められる。乙女峠まではかなり荒れた道となっている。
長尾山山頂

 乙女峠には鬱蒼とした木々に囲まれた乙女茶屋が正面に建っている。茶屋手前にはテーブルとベンチがあり、仙石原側を眺められる格好の展望台になっている。飼い犬2匹が登山者が来ると茶屋から出て動き回っている。茶屋の右手には御殿場市と書かれた案内板があり、小さな展望台が造ってある。さらに親切に御殿場側をバックに記念撮影がし易いように、写真を撮る専用台まである。本日は霞んでいるのと木々の葉が多く展望は全くなし。休憩後、乙女口に向かい下るにつれて、石のゴロゴロした場所・沢状になった場所・土留めはあるが全く効果のない場所など変化に富んでいるが、歩きにくいことこの上ない。国道138号線を走る車輌の音が間近になってくると、植林された檜?の根周りの土が深く流され、ロープを張ったコース案内があってもまともに歩けない。国道に出た場所はかなり広く明るく、脇には乙女口のバス停がある。乙女口から仙石まで歩くには、しっかりした歩道ばかりではなく、白線だけの場所があるので交通量が多い時は要注意。
中央に乙女茶屋がある国道からの乙女口

仙石からバスに乗り湯本向かうが、大平台駅を過ぎた辺りから渋滞になってしまった。しかし小田原までの電車から見える道路はすいすい流れていたので湯本までだったか。時季には更に上から渋滞をするので、登山鉄道を利用したほうが良い。

参考にならないタイム・
仙石バス停 9:32(0:12)9:44 金時神社入り口 9:50(0:20)10:10 上道路地点 10:10(1:00)11:10 矢倉沢経由合流点 11:18(0:32)11:50 金時山頂 13:00(0:49)13:49 長尾山 13:55(0:19)14:14 乙女峠 14:25(0:49)15:14 乙女口


一覧へ戻る